■ 自宅介護のあり方 ■


◎ 排泄を楽にするために・・・
移動のしやすさがポイント!!
排泄に必要な力は直腸の収縮力と腹圧、それに便そのものの重さです。この3つがそろったときに、快適な排泄ができるのです。これを実現するためには便器に座ることが欠かせません。


しゃがんで体を支えることが難しいため、
和式便器を洋式便器に変更。方向転換や
立ち座りのための手すりを設置。転倒防止のため、滑りにくい床材に変更。


■ ポータブルトイレを選ぶポイント ■


・丸ごと洗えることと、倒れないほどの重さがあること。座面の高さ調節ができ、肘掛ははずせるか、あるいははね上げ式であることも重要です。


・立ち上がりが楽にできるよう、かかどを引くスペースがあり、移動が楽なようにキャスターがついているかも確認しましょう。


 一番大切なのは清潔を保つことができるかどうか。見栄だけで選ぶと失敗の元に。


◎ 入浴を楽にするために・・・


とっさのときの手がかりをつくる!!
 安全のために滑り止めは必須!!




安定した姿勢は、前かがみか
まっすぐ起きた状態
であることが
条件です。したがって、背中に
当たる部分は洋式浴槽のように垂直の
ほうがよいのです。また、足の裏が浴槽の側面につくことも重要です。これで、姿勢がより安定します。


手すりは必ず取り付けたいもの。直径33〜35oの太さで、当たりが柔らかい樹脂製のものがよいでしょう。
滑り止めマットは、穴のあいたものや吸盤付きのものは足先が引っ掛かりやすく、バランスをくずしやすいので避けます。


■ 入浴時の移動のポイント■
 体に不自由がある場合は、自由がきくほうから浴槽に入るように入浴台を置きます。
 入浴台に座ったら、浴槽の縁ぎりぎりまで移動します。このときも、体重移動の基本どおりに前かがみの姿勢になりながらお尻を移動させます。もちろん、手すりか浴槽の縁につかまることを忘れずに!


■ 尿がもれるときのパンツ・オムツの選び方 ■
おもらしは齢をとればだれでも経験すること。ものが見にくくなったり、耳が遠くなるのと変わりません。老いにともなう生理現象です。
 ですから、一度おもらしをしたからといって、すぐにオムツにしたほうがよいというわけではありません。尿失禁の程度は、1人1人異なります。漏れる量や目的に応じて使い分けるようにします。「オムツもよりより生活を送るための道具」と考えて選びましょう。


● 漏れる量が少ない場合
    失禁パンツがよいでしょう。これだけで心配なときは尿取りパッドと併用します。失禁パンツを使いたくないなら、下着に尿取りパッドをつければよいでしょう。

● やや多い場合
パンツタイプの「はくオムツ」がよいでしょう。ギャーつきの体にフィットするタイプを選びます。片手でも上げ下げできるので、1人で用を足すことができます。


■ 手すりを付けるならお尻を上げる直前に手が届くところに
お年寄りが立ち上がりにくくなったら、すぐに手を貸したくなるところ。しかし、まずいすの高さを少し高めにしたり、手すりを少し遠くて低めの位置に取り付けるようにするなどの工夫をしてみましょう。能力を最大限に引き出す介護になります。


介護保険の支給対象となる工事

@ 手すりの取り付け
A 段差の解消
B すべりの防止および移動の円滑化等のための床または通路面の材料の変更
C 引き戸等への扉の取り替え
D @〜Dの住宅改修に付帯して必要となる住宅改修


 介護保険によるサービスは、まず市区町村の窓口に申請し、審査・認定の後に受けられるようになる。

提供:きょうの健康・介護のお店ふれあい