− うつ病 −  

 ◇◆ 治療 ◆◇


薬物療法 と 十分な休養 の二本柱  

―薬物療法―
 治療には、主に「抗うつ薬」が用いられます。脳は神経細胞が集まってできています。
 うつ病の人では、神経伝達物質のうち、精神を安定させる働きのある「セロトニン」や、神経を興奮させる働きのある「ノルアドレナリン」の量が不足していることがわかっています。


種類作用主な副作用
三環系抗うつ薬・四環系抗うつ薬セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害口の渇き、動機、便秘、排尿障害
SSRIセロトニンの再取り込みを選択的に阻害吐き気、嘔吐、下痢
SNRIセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを選択的に阻害排尿障害(主に男性)、頭痛


比較的副作用の少ないSSRIやSNRIが使用されることが多い。


● 治療中の注意!! 薬を独断でやめない。休養を十分にとることも大切。

抗うつ薬は、通常、効果が現れるまでに1週間から10日ほどかかります。その間に薬をやめてしまうと、症状はもっと悪化してしまいます。
 また、うつ病は再発しやすい病気なので、症状がよくなってきたからといって、独断で薬をやめてはいけません。通常、少なくとも半年から1年程度は、薬の服用を続ける必要があります。


○周りの人ができること

【 職場でのサポート 】
・ 仕事を休ませる
・ リハビリテーション出勤
・ 声をかける
最低でも2週間は休養する。回復してきても、最初は簡単な仕事から始めたり、徐々に仕事の復帰できるような配慮が必要。

【 家庭でのサポート 】
・ いつもどおりに接する
・ 励ましすぎない
・ ゆっくりと休ませる
患者さんのすることにあまり口出しせず、いつもどおりに接する。休ませるために、家事など家の仕事は家庭で分担を。


 ◆ 五月病 ◆ 

 ●五月病とは・・・?
 元来、大学入学後の学生が、5月連休あとぐらいからうつ病気分に見舞われ、無気力な状態になる事からついた病名です。何も五月に限らず、また学生だけではなく、大卒者にも、一般人にも見られる病態です。五月病によく見られる症状とは、抑うつ気分、思考抑制、不安感、あせりなどで、不眠、強い疲労感、やる気がでないと訴える場合が多いようです。
 つまり、新たな環境に適応できずに、そのことへのあせりがストレスになり、“何とかしなければ”と思えば思うほど、深みにはまってしまうわけです。


●五月病の原因
・受験の緊張からの解放
・大学生活への失望
・目標を達成し、次の目標を見失い混乱してしまう
・現実に接して膨らませていた期待が急激にしぼみ
失望し、やる気をなくす

●防ぐには・・・
ストレスを貯めないように気をつけましょう。新たな目標や関心を見つけることも大切です。新しいものにチャレンジすることで、生活の中に刺激を与え、生活の活性化を心がけましょう。


● どんな食べ物がよいのか

イライラの原因としてカルシウム不足があげられます。

☆ カルシウム ☆
カルシウムを多く含む食品
  魚類、脱脂粉乳、しらす干し、チーズ
  牛乳 100mg/100gのカルシウム
(コップ一杯で1日に必要なカルシウムの約3分の1が含まれる
カルシウムを吸収するためにビタミンDとマグネシウムが必要!!

   魚類(サケ、カレイ)、きのこ類          
マグネシウムを多く含む食品
  
   大豆、落花生、干しひじき、納豆

  タンパク質の過剰摂取に注意!!
(タンパク質をとりすぎることで、カルシウムが体外に排泄されて
しまうため)

☆ リラックス ☆
 タマネギ、ニラ、しそ、レタス、ごま など・・・
 ユリ根、くるみ など 
神経を静める効果がある

☆ ビタミン・ミネラル ☆
 ストレスがたまるとビタミンやミネラルの消費も多くなります。ビタミンは体内の機能を調節しているので、どれか一つでも不足すると体の機能が正常に働かないということがおこります。野菜や果物をしっかり食べましょう。